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2021年グリーン住宅ポイント②ポイント対象の条件がより詳しく発表されました!【具体例つき】

2021年グリーン住宅ポイント②ポイント対象の条件がより詳しく発表されました!【具体例つき】

2020年12月15日から始まった「グリーン住宅ポイント」にまつわる続報です!(2021年2月28日更新)

2月16日に、グリーン住宅ポイント事務局のホームページがオープンしました。制度概要の資料では明記されていなかった細かな条件や発行までのフローなど、新たな情報もリリースされています。前回の記事を書いた段階では未確定で触れられなかった、各条件の詳細についてまとめていきたいと思います!本当にお得な制度ですので、ひとつひとつしっかり確認していきましょう♪

 

「グリーン住宅ポイントって何?」という方はまずこちらの記事をどうぞ!

最大100万円分相当の補助!家をお得に建てられる「グリーン住宅ポイント」とは?

 

 

①ポイントを使える「対象工事」の詳細が発表されました!

12月の制度発表時はざっくりとした方針のみでしたが、具体的な工事例が発表されています。わかりやすいよう、実例のイメージ写真も添えながら解説していきます!※ご紹介している写真はあくまでも一例です。

1. ワークスペース設置

・屋内ワークスペースの設置
 つくりつけデスクカウンター、本棚や引き出し、間仕切り(ロールスクリーンやパーテーション)などの設置。システムキッチンにカウンターやキャビネットをつけるのもOK!

・テレワーク関連設備の設置
 天井や壁に固定するタイプの照明器具や映像装置・スピーカーの設置、インターネット環境の設置など

・間取りの変更
 ワークスペースづくりに伴う、間仕切壁や格子壁の設置など。窓やドア、収納などの追加も含まれます

・屋外ワークスペースの設置
 プレハブ、ユニットハウス、ワークハウスの設置。テラス屋根や囲いの設置など

・(共同住宅における)共用ワークスペースの設置
 共用ワークスペースの設置など

例えばこんな感じ…

 

2.音環境向上工事

・防音設備の設置
 防音室工事、壁・二重窓・ドア内窓の設置、防音換気設備、防音フローリングなど

3.空気環境向上工事

・換気設備等の設置
 換気扇、網戸、ルームエアコン、換気・通風機能付きドアの設置など

・空気浄化作用のある製品の設置
 畳(い草製)、珪藻土、調質性のあるタイルや壁紙など

例えばこんな感じ…

 

4. 菌・ウィルス拡散防止工事

・非接触型設備の設置
 タッチレス水栓、タッチレス玄関ドア、タッチレス照明スイッチ、自動開閉窓・ドアなど

・玄関まわりの洗面化粧台、手洗い器、立水栓の設置
 セカンド洗面台、外部水栓、手洗い器の設置など

・抗菌、抗ウィルス建材
 壁、床、手摺、ドアノブ、壁紙、水栓など

 

5. 家事負担軽減に資する工事

・キッチンまわり
 ビルトイン食洗機、掃除しやすいレンジフード、ビルトイン自動調理コンロ、ディスポーザーなど

・浴室まわり
 浴室乾燥機、浴室乾燥暖房機、自動浴槽洗浄システムなど

・洗面所まわり
 サンルーム、衣類乾燥機など

・トイレまわり
 お掃除しやすいトイレなど

・宅配ボックス

・家事負担を軽減する収納
 パントリー、脱衣所・洗面所収納、トイレ収納など

6. 停電・断水対策

・蓄電池

・太陽光発電

・V2H、EV充電設備

・家庭用燃料電池

・非常用発電設備

・貯水システム、雨水タンクなど

・電気設備の移設
蓄電、発電設備、エアコン室外機の架台設置など

7. 水害・台風対策

・屋根瓦の飛散防止
 高耐力な瓦、飛散防止ネットの設置、瓦止め(接着剤、漆喰)の敷設など

・窓ガラスの飛散防止
 安全ガラス、雨戸、シャッター、ブラインドなど

・止水版の設置

8. 地震対策(躯体に関する耐震対策を除く)

・感電ブレーカーの設置

・家具固定器具の設置

・窓ガラスの飛散防止・・・安全ガラスなど

具体例として挙げられているものだけを見ても、かなり幅広い、かつ現実的に採用できそうな工事がたくさん挙げられていることが分かります。(個人的には、セカンド洗面化粧台が挙げられているのが嬉しく、「分かってる!」と手を叩いてしまいました。最近、本当にご要望が増えているのです…!)

また、<具体例として挙げられていないものであっても、8つの目的のために行う工事は幅広く対象とすることができる>とされています。ただし、インテリア用品や家電などのように、容易に持ち出せるものについては対象とすることができません。【つくり付け】や【固定】であることが重要です!

これらの追加工事にポイントを充当する場合は、追加工事の実施が確認できる請負契約書や、本体工事の請負契約書に付属する見積もり明細書等を提出する必要があります。

 

②最大100万ポイントになる「加算条件」の詳細が公表されました!

加算条件の基本のおさらい

40万ポイントが加算され、最大100万ポイントが発行される条件は以下の4つです。

 い. 東京圏の対象地域からの移住のための住宅

 ろ. 多子世帯が取得する住宅

 は. 三世代同居仕様である住宅

 に.災害リスクが高い区域からの移住のための住宅

 

移住の定義として、次の1~4のすべてに該当する必要があります。

  1. 2020年12月15日以降に東京圏の対象地域内から同地域外へ移住する
  2. 移住先に5年以上居住する意思がある
  3. 移住日から過去1年間(365日)、ABのいずれかに継続※1して該当する
  4. 移住日から過去10年間、ABのいずれかに通算5年(1,825日)以上該当する

 A  住民票の居住地が東京23区である
 B 東京23区に通勤※2(通学※3)しており、住民票の居住地が東京圏の対象地域内である

※1転職前後に東京23区に通勤し、当該転職に要した期間が3ヶ月以内の場合は継続した通勤とみなします。
※2移住に退職が伴う場合、移住日より3ヶ月以内の退職に限り、3,4におけるBの通勤日数の起算点は退職日とすることができます。
※3東京23区への通勤を開始する以前、東京23区の大学、大学院、短期大学、高等専門学校、専門学校等に通学していた場合に限り、当該期間をBの日数に含めることができます。

 

条件がたくさんあって複雑ですが、

  1. → 制度実施の発表後にポイント目的で東京圏に一時的に居を構えてもだめだということ
  2. → 同じく、ポイント目的で一時的に引っ越すのはだめだということ
  3. →東京圏に生活の基盤があることが条件

というように解釈すると分かりやすいです。

もうひとつ重要なのが、この移住を条件にする場合は、2021年10月10日までに事前のオンライン相談が必須になっているという点です!これは制度が発表されたばかりの頃には、まだ言及されていなかった条件です。

事前相談を行うには相談用のアカウント登録が必要になっていて、事前相談の時点で条件を満たすことが分かる書類をある程度揃えておく必要があります事前相談のアカウントと書類を揃えた上で10月10日までに事務局に事前相談をかけ、10月31日には相談結果票をもとにポイント発行申請を済ませなければいけません。

東京圏からの移住は条件が多いため、ほかの3つに比べて揃える書類も比較的多めです。書類が揃わずに間に合わなかった!ということがないように、特に早めの準備が鍵になってきそうです。

必要な書類や流れの詳細は、事務局のホームページにより詳しく掲載されています→https://greenpt.mlit.go.jp/new-house/point1.html

 

ろ. 多子世帯が取得する住宅

<多子世帯=18歳未満の子3人以上と同居>が基本の定義ですが、より細かな条件が明記されました。

―――以下引用

  • 18歳未満とは、生年月日が2002年(平成14年)12月16日以降であることを言います
  • 申請時点において、申請者と3人以上の18歳未満の子の住民票の登録住所が同じ場合にポイントの加算が受けられます
  • 3人以上の子の生年月日が2002年(平成14年)12月16日以降であること
  • 申請者と同居していること

―――

該当するかどうかの確認は、住民票でチェックされます。【世帯全員】【続柄】を記載した住民票が必要です。

 

は. 三世代同居仕様である住宅

三世代同居仕様住宅とは、調理室(キッチン)、浴室、便所(トイレ)または玄関のうちいずれか2つ以上の設備が複数個所 ある住宅です。ただし、住戸内で行き来できない、いわゆる二世帯住戸は、別住戸であるため該当しないとされています。

■「住戸内で行き来」とは?

二世帯住宅、とくに完全分離タイプの二世帯住宅をプランニングする際には、通常<世帯間を行き来できる室内ドア>をどこか一カ所につくります。そうしないと「一戸」ではなく「二戸(二世帯住戸)」にみなされてしまうためです。ですので、ほとんどの場合は<住戸内で行き来できる>仕様となり、【該当】になるはずです。

注意が必要なのは、世帯ごとに名義を分ける「区分所有登記」を行う場合です。この場合はそれぞれ一戸とみなされるため、三世代同居の条件には該当しなくなります。ただし、それぞれの世帯でポイント申請を行うことができるようになります。

■調理室、浴室、トイレ、玄関の定義

・調理室
以下のすべてが設置されているもの

a. 給排水設備と接続されたキッチン用水栓およびシンク
※洗面器・手洗い器は、キッチン用シンクには該当しません。

b. コンロ又はIHクッキングヒーター
(ガス栓かIHクッキングヒーター専用の電気コンセントが設けられた設置スペースのみは不可)

c. 調理室用の換気設備

浴室
 給排水設備及び給湯機に接続されている浴槽又はシャワーがあり、防水の措置がされているもの
※浴室が2つあっても、脱衣所が兼用だと1つとみなされてしまうそうです。注意!

トイレ
 大便器を有するもの。小便器のみだとカウントされません。

玄関
 玄関扉と室内土間(土足の着脱スペース及び収納を有するものに限る。)があること
勝手口(調理室、車庫等に直接出入りするためのもの)や外側から施錠できない出入り口(窓等)は対象外です。

 

に. 災害リスクが高い区域からの移住のための住宅

■災害リスクが高い区域とは

土砂災害特別警戒区域 または 建築禁止災害危険区域 のことです。

今の居住地と新しい居住地がそれぞれ該当するかどうかは建築士が自治体に確認することになっており、申請時に必要な確認書を発行します。

2020年12月16日以降に災害リスク区域に住み始めた場合は対象になりません。居住地と居住時期を確認するために、住民票の提出が必要です。

 

③完了報告の期限に要注意!

今回のグリーン住宅ポイントで注意したいのが、ポイントを追加工事に充当する場合の完了報告期限です。ポイント申請期限(契約期限)は10月31日ですが、もうひとつ「完了報告」の期限が定められています。

この期限は「住宅のタイプ」と「ポイントの使いみち」ごとに異なります。

  • 「戸建住宅」で、ポイントを「追加工事」に使う場合
    2022年1月15日までの完了報告
  • 「戸建住宅」で、ポイントを「商品」と交換する場合
    2022年4月30日まで(交換する商品は1月15日までに申請)
  • 「共同住宅で階数が10以下」
    2022年10月31日まで
  • 「共同住宅で階数が11以上」
    2023年4月30日まで

なんと、戸建住宅で追加工事に充当したい場合の締め切りが一番早いのです!契約と発行申請は期限内に済ませていても、完了報告が間に合わないとポイントが発行されません。

完了報告に必要な書類のうち、

  • 確認検査済証
  • 新しい家での住民票

は、建物が完成してからでないと用意できません。確認検査済証は、建物が竣工した後、確認検査機関の検査に合格すると発行される書類です。つまり期日までには建物が完成し、かつ住民票も移し終わっている必要があるのです。

検査を受けて書類が発行されるまでの期間を考えると、2021年内には建物がほぼ完成しているくらいのスケジュールが安心です。契約をしてから建物が完成するまでに必要な期間は、建築会社はもちろん、どんな建築計画(土地を買う、更地、古家ありetc…)なのかによって異なります。確実にポイントをGETしたいという方は、完成までのスケジュールを建築会社に確認し、逆算して家づくりを進めていくようにしましょう。

 

まとめ

  • ポイントを充当できる「追加工事」はかなり幅広い!色々なものに使えそう
  • ポイント加算の条件に該当する場合、こまかな定義(+必要書類)を確認しておこう
  • 契約期限だけでなく、完了報告期限の存在に注意!追加工事にあてるなら年内完成を目指すのがベター

だんだんと公表される情報が増え、ポイント制度の全容や使いやすさも明らかになってきました。コロナ禍の経済対策のひとつと銘打っているだけあって、万人にとって使いやすく、活用しやすい制度内容になっていると感じます。

対象となる期間が意外と短いですが、タイミングが合うという方はぜひ上手に利用して、賢くお家づくりをしてくださいね。

 

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